現在、ヘヴィなインフルエンザに罹っている。悪寒が走りまくり。走るオカン。ランニング・ママ。
芥川賞受賞作に「猛スピードで母は」とかいう小説があったが、あれはこういう状況を描いた作品なんだろうか。

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ところで、最近チラと目にした記事見出しですごく気になっているものがある。
「○☓湖転落事故の捜索中に地元警察署長が手品」みたいな見出し。

たぶん、不謹慎だという意味で問題になったんだろう。ぼく自身も事故の顛末を何も知らないので下手に言及するのは不謹慎なのかもしれなけど、それでもどうしても気になる字面ではある。例えば。

寒い現場での作業が続く中、自販機で暖かい飲み物を部下に差し入れ→その時の釣銭を使って軽くコインマジックを披露、という程度なら、さほど不謹慎でもない気がするのだ。あるいは右の耳に入れたコインが左の耳から、という程度の手品なら、むしろ現場の過緊張も和らぐので良いことなんじゃないか。

巡査長に握らせたコインがいつの間にゲストの安めぐみさんの掌に! という程度もギリギリセーフだと思う。

しかし実際に行われたのがそういった「ありあわせの物」以外を使っての手品だったのだとすると、やはり多少の不謹慎感は否めない。

例えば、もしもカードマジックを披露したのだとすれば、どうしてそもそもトランプを携帯してるんだ?という話になるだろう。「耳、おっきくなっちゃったー」も同様だ。あるいは懸命の捜索作業の傍らでカッパーフィールドばりに空中浮遊をしているのも、絵面として圧倒的に間違っている。

こう考えると、「緊張した現場を和ませようとしたのか」それとも「いい加減な心構えで捜索作業をしてたんじゃないのか」という部分が不謹慎に感じるかどうかの分水嶺なんだと思う。

もし前述の通り、軽いコインマジックを披露した程度ならば、どうか署長をあまり責めないでほしい。彼なりの、仕事への真摯さが看て取れるのだから。

ただ、もしも「大ネタ」を披露したのだとしたら、それはちょっと不用意だったと言わざるを得ないだろう。人体消失マジックなどもってのほかだ。遭難者の替わりにホワイトタイガーとか出てきても何の解決にもならない。

ましてやインターミッションに「てじなーにゃ」とか言ってたとしたら。

ぼくは生涯、署長を許さない。