うちの近所にはけっこう大き目の神社があり、そこに隣接して児童公園がある。
先の週末、ぼくは小学校3年生になる親戚の女の子と2人きり、その人気のない公園でオニごっこなどをして遊んだのであった。どういう経緯を経てぼくがオニごっこをするに至ったのか、語り始めると途中で泣いちゃうと思うので詳細は割愛させていただくが、まあ要するに子守りを押し付けられたわけである。

公園での遊びと言えば当然、オニごっこや隠れんぼ、缶蹴りなどになるわけだが……これが殊のほか怪しいんである。外部から見ると。

例えばカン蹴りのとき。遊具の陰に隠れてオニ(9歳女子)の様子をうかがったりするわけだが、道行く人からはそれが丸見えなのだ。カバさんの陰で四つん這いのぼく、四つん這いになって女の子(9歳女子)を見つめているぼくの姿が。

この怪しさは四つん這いという姿勢だからという問題ではなく、女豹のポーズだろうとピンクレディーのUFOだろうと、そういったポージング以前の問題としてすでに怪しいわけである。物陰から9歳女子の様子をうかがっている時点でかなりグレーゾーンなわけだ。実際、何人かの通行人は顔色を変えてぼくを凝視していたし。そんなにジッとこっち見たらオニに居場所がバレちゃうだろバカ!
いや、怒るところが違いますね。

とにかくそんなわけで、通行人の目には付かないよう、道路から死角になる位置で隠れていたわけですが。

どうも相変わらず粘りつくような視線を感じる。で、よくよく見回してみると、公園の入り口際に大きな石碑があって、その陰からぼくを監視していたんである。近所の主婦とおぼしきおばさんが。 ちなみになぜぼくがおばさんの存在に気づいたかというと、その「隠れるおばさん」を、道路上から通行人の老紳士が訝しげに見つめてたから。

姪(9歳女子)を物陰から見つめるぼく。ぼくを監視するおばさん。おばさんに見とれる老紳士。見つめラー数珠つなぎ。

もうわけがわからない。とにかく今は、通報されずに無事帰宅できたことを喜ぶのみである。そんなこんなで大変だった夏の終わりなのであるが。

「この夏は若い子と激しく遊んじゃってさー」
「俺が逃げ回ってるのに、女の方から追いまわされちゃってー」
「女関係であやうく警察沙汰にもなりかけたしー」

今回の件、とりあえず自分の中では武勇伝としてカウントさせていただくことにする。