夕刻の商店街。魚屋からビリー・ホリデイが流れていた。こういう、日常にパックリと口を開けた「ズレ」がぼくは好きだ。

手もみで客引きをしているオヤジ。その後ろで、アンニュイに『レディー・イン・サテン』が聴こえてる。店の奥には、名も知らぬ魚が丸一匹、天井から吊されている。

これもある意味、奇妙な果実。