ICQというチャット用のソフトがあって、それには、受信メッセージの中から特定の単語を遮断してしまうフィルター機能がついている。嫌がらせ目的のアクセスを防御する機能である。ぼくにも時々エロいメッセージが送信されてくるけど、ぼくの場合は全部無視して削除させてもらっている。その程度にあしらっておけばいいものだって思っている。まあ、ぼくが男だからそう言えるんだろうけど。

しかし中には、「そんなもの、目にしたくもない。」という真面目な人もいるわけである。そういうモノは、受信すること自体が不愉快だという人。

彼らにとってみればフィルターは、願ってもいない、ありがたい機能なのに違いない。
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ただしこの機能には重大な問題がある。どの単語をフィルタリングするかを自分で設定しなければならないというところだ。

エロいことなんか頭に思い浮かべるのもイヤな人のはずなのに、「遮断単語リスト」を設定するためには、想像しうるあらゆるエロい単語を登録しておかねばならないのだ。

完璧な防御のためには、あまたのエロい単語を余すことなく遮断リストに加えておく必要がある。「余すことなく」なのだから、必死で頭を捻ることが要求される。 エロい単語を捻出することに、多大な労力をとられることとなる。

でもそういう人は元々のエロい知識が少ないのだから、アダルトサイトなどを細かにチェックする必要も生じてくる。

そうしてある時気づいてみれば、人並み外れたエロ知識を誇る自分がそこにいる、というわけだ。

エロいことが嫌いな故に、エロにどっぷりとつからなければならない矛盾。葛藤。なんという悲惨な話だろう。

その人が真面目な人であればあるほど、反比例してエロい世界にどっぷりつかるハメになる。中にはあまりの葛藤に耐えかねて、精神の均衡を失う人さえでてくるのではないかと心配だ。ああ心配だ。ICQとはかくも危険な代物であるぞ、と、ぼくはここに強く警告を発することにしよう。
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それにしても、こんな馬鹿馬鹿しいことをダラダラと書いている自分もどこか相当にオカシくなっているのに違いない。この鳩心を始めてから、特にそう思わされることが多い。 恐ろしい限りだ。

Web日記書きという行為も相当に危険な代物である、と警告を発しておくことにしよう。