玄関をあけると、目を見張る大きさのうんこ。そんな始まりの朝だった。

いったい誰の落としものなのか。犬にしてはあまりに大きく、人にしてはポジショニングがあまりに大胆。いやがらせなのかイタズラなのか。どちらにしろ、それがぼくのうんこ観の範疇をはるかに超えていたことに間違いはない。

「季節はずれのサンタクロース」

混乱のあまり、そんなメルヘンなフレーズさえ頭をよぎる。すずめのさえずりを背に立ちつくす私。

しかし問題はそんなことではない。どうやってこの大物を処理するべきなのか。とりあえず今日は逃避を決め込んでしまったのだが、明朝また、奴と対峙しなければならないのだ。

いったい彼をどう処理したらい良いのか。気が重いのであまり考えたくはなかった。しかし結局は、一日の思考の大半を彼に占拠されていたように思う。再び出会う運命のぼくらのことを。最大級の難敵。朝日を受けて眩しく輝く、黄金色のどてらい奴のことを。

黄金色…

風水的には、南西の窓際に置くと吉。