今日はあまりにもヒマだったので押入を整理したりした。そしたら、奥の方から過去に録画したサッカー中継のビデオが、なんと200本も。

みなさんもそうだと思うんだけど、ビデオって、録画しただけで一度も観ていないようなモノが結構あったりする。ぼくの場合も、いつか見ようと思ってコツコツ録りだめていく内にいつのまにか200本になってしまっていたらしい。

3倍速の2時間テープが200本。これを見返すのには1200時間を要する。日数にして50日分。いくらなんでも、この量を見直すことは絶対にありえない。
だから、ちょっと勿体ないんだけどテープの大部分は捨てることにして、その選別作業を行っておったわけです。

で、各テープに書かたタイトルラベルを見分けていく内に、ある奇妙なテープが目にとまったのである。タイトルは『金髪肉弾戦・パリに燃ゆ』……ってぼくの字だ。だけど。

ぼくは、いわゆる外人モノのアダルトビデオが好きではない。数年前に人の家で見た『パイパニック』が、ぼくにとっての最後の洋ピン体験だと思う。だから、普通に考えればこんなものが手元にあるはずがないんである。

では、いま手元にあるコレは一体何なんだろう?しかも、なんでサッカービデオに混じって収納されていたのか。

ぼくは、しばし頭を抱えてしまった。で、思い出したんである。むかし、会社の同僚をとても怒らせてしまった、ある事件のことを。

同期の連中とさして共通の話題もないような、まだまだ入社したての頃。とりあえずエロいビデオを交換しあうのが流行ったことがあった。多分、お互いにうちとけあう意図があったんだと思う。民俗学で言うところのポトラッチだ。ぼくも「何かすげービデオ持ってない?」なんてよく訊かれたものである。たしかに凄いビデオは山ほど持っていたんだけど、それをそのまま返事してもあまり面白くはない。だからぼくはそういう時は、「金髪モノでかなりハードなモノなら結構持ってるよ」と答えてたように思う。これが実はサッカー中継のビデオのことなんであるが。

それはフランスvsデンマークの試合であり、ブロンドの選手もチラホラいたので決してウソなんかではないのだ。

そうしたら確か、ひとりのガイジン好きが「ぜひともそれを貸してくれ」と身を乗り出してきたのではなかっただろうか。そこで貸してあげたのが、この『金髪〜』だったのだ。たしか。あまりの真摯な姿勢に胸を打たれて、さんざん扇情的な文句で彼のテンションをあおった記憶がある。ご丁寧にワープロで解説文まで作って添付してあげたんじゃなかっただろうか。たしかこんな文面のものを作ったのだ。

「美しい金髪をなびかせてパリへとやって来たエマニュエルと、その仲間達。長髪を振り乱し、北欧の屈強な殿方相手にタップリ90分。汗にまみれて、実に激しいプレイを見せつけてくれる。時には手で脚で、そして時には頭で(!)。ご自慢のダイナミックな肉体を武器に、タマを好きなようにもてあそぶ姿に思わずコーフン。そのタマが遠慮なくブチこまれていくクライマックスには、小生も思わず昇天」

この件では、ぼくはひとつもウソを言った覚えはないんだけど、実際にビデオの中味を見た同僚はえらく怒ったようだ。どれぐらい怒っていたのかというと、「怒っている」というウワサを、人づてにしか聞かなかったほどである。彼が、ぼくと直接口をきくのをいやがったからだ。

まったく正直者ほど損をするようで、ほんとうに世知辛い世の中だと思う。

(ちなみにエマニュエルとは、フランス代表の「エマニュエル・プティ選手」。金色の長髪を振り乱してピッチに君臨する、190cm近い大男です。)

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ところで今日は、押入の奥から本物の方のアダルトビデオ(外人は出ていない)も色々と見つかりました。こちらも見きれないほど大量なんだけど、こちらは1本たりとも捨てたりはしない。