6月5日

今日、同僚たちからしみじみと、「それにしても君は貧相な顔をしているねえ」と言われた。以降、ちょっとブルーな気持ちで今日という日を過ごしています。

ぼくがブルーなのは、彼の指摘が図星だったからではない。僭越ながら、これでもぼくは映画に出てくるようなマスクの持ち主だとよく言われるのだ。特に、黒澤映画に出てくる「虐げられる田舎百姓」みたいだとよく言われている。自分では密かに、「真田広之が10日ほど徹夜した挙げ句に大勢の目の前でおしっこを漏らしてしまったらば、きっとぼくにソックリの顔になるんではないか」と思っている。

そんな「銀幕映えする容姿」の持ち主を捕まえて、言うに事欠いて「栄養失調で今にも息絶えそう」だの「この世の不幸を一身に背負ったようだ」だのとは一体どうしたことだろうか。最後には「幸せって何だか知ってる?」とまで言われてしまった。

いくらなんでもそれは言い過ぎではないだろうか。

さすがのぼくだって、いい大人である。幸せがどんなモノかなんてコトを知らないはずがない。残念ながら自分でそれを経験したことこそないが、人づてに聞いて、ちゃんと存じているつもりだ。本やテレビでも何度か見たし、昔好きだった女の子の名前が「美幸」だったおかげで、「幸」という字もちゃんと書けるようになっている(その人とは大学で出会ったのだ)。

それなのに、この言われよう。どうも納得がいかない。で、考えました。本気で幸せを追求して、世間を見返してやろうと。

しかし、いかんせん慣れないもんだからして、一体どうしたら幸福を手中にできるのか検討がつかない。思いあまって隣席の同僚に相談したら、「雑誌の星占いでも参考にしてみたら〜?」とたるんだ声でアドバイスをいただいた。

なるほど。今まで占いの類を一切信じてこなかったけど、その結果が今のぼくのていたらくなのかもしれない。というわけで、これからはラッキーグッズを身につけてラッキープレイスを精力的に訪れるようにしたいと思う。

= = =

先程近所の本屋に行って、置いてある雑誌を適当に抽出。占いのコーナーを調べてきた。今週の水瓶座は以下の通り。

6/7水曜日、テレコムセンターのロビーでぼそぼそとローソンの冷やし麺をすする自分に思いを馳せる。ちょっとうっとり。既に想像だけでそれなりのシアワセを感じちゃっている、この時点でかなり問題ありなんだけど、とにかくぼくの決心には一点の曇りもない。あさっては、ラッキーアイテムを余さず身につけてテレコムセンターに駆けつけよう。まさにラッキーのカタマリ状態。全身是ラッキー。

もしかしたら周りの人たちは「かわいそうな人」を見る目でぼくを見るかもしれないけど気にしない。

中には小銭を恵んでくれちゃう人もいるかも。それはそれで幸せの一つのカタチ。