「行きつけの店」というのを持つことに憧れていた。行きつけの飲み屋とかそういうやつ。なんというか、「馴染みの店に通い詰める」という行為がとってもオトナな感じがしていたのだ。

ぼくは女性が接待や相手をしてくれるようなトコロにはおよそ行ったことがないので、そういう飲み屋などに顔が利くような人は特に、「ああオトナっぽいなあ」なんて思ってしまう。しかし30歳になった今でも、ぼくが「行きつけ」と呼べるのは近所の本屋とレンタル屋ぐらい。ここ10年間まったく状況は変わっていない。オトナになれる日はいつ来るんだろう、なんて思ってた。

そんなぼくでも最近、新しく行きつけができた。以来、通い詰めるどころかずっと入り浸り続けている。平たく言えば、昨日まで再び入院しちゃってたわけですが。

薬剤師さんやら看護婦さんやら、大勢の女性がいろいろ面倒を看てくれたのは事実なんだけど、残念ながらどれもぼくがここで言う接待とはちょっと違っていた。大人への道のりの長さを思い知らされる。

となりのベッドでは老紳士がおむつプレイを敢行していた。けど、無論それも違う。

甲子園の中継を見るといまだに選手が年上のお兄さんに見える。