今日は所用があって原宿へ行った。
ついでなので、「ちょうどバーゲンシーズンだしちょっとショッピングでも」と洒落こんではみたのですが。

ぼくは身長の割にヒョロ細いので、なかなかサイズが合うものが見当たらずにいつも難儀する。今日もいろいろ探し回ったが、この貧相な身体にフィットする服はほとんどなかった。結局、安物の古着だけ買って帰った次第。(でもいいのだ。現代はリサイクルの時代だし、古いモノにこそ味がある。高校生の制服など驚くような高値で流通してるではないか)

それにしても原宿はさすがに原宿である。感心しましたよ。それこそみんな雑誌から抜け出したようなセンスいい恰好をしていて、ファッション誌で云うところの「要注目のカリスマブランド」とか「裏原おしゃれ最前線」とか、ああいう世界観を実にスマートに体現してるんである。対するぼくはと言えば、ボロボロの古着姿がみすぼらしくてせいぜいTIME誌がいいとこ。「厳冬下の難民に衣料援助」等。
つまり、どう見ても浮いていたんである。ここは自分のような者が近寄ってよい街ではなかった、と大いに反省したのでした。

しかし。そうして反省してみせるぼくに、今日の東京はとことん冷たい。昼食を摂った時もそうだ。レストランでポークカレーを頼んだところ、解凍も充分でない生焼けのポークを提供されたのだ。

詳しくは知らないが、豚肉は生で食すと非常に危険だと聞いている。雑菌や寄生虫のために十分に火を通さなければならないはず。なのに目の前に盛られたのは、生焼けの豚。

ファッション雑誌っぽく言えば、激レア・超ヤバ目アイテムである。

気づかずそれを口にして、あまりの違和感にオェと吐き出したぼくは、お店の人を呼んで事情を相談した。事情を聞いて店員もエラく動転した。そして動転しながらぼくの吐き出したものを指差して、言ったのだった。「すみません、すぐに焼き直しますから」

本文冒頭で「リサイクルの時代だし古いモノにこそ味がある」と申し上げたが、一度吐いた肉だけは勘弁いただきたいと切に願った次第。これでは何かの罰ゲームみたいじゃないか。


今回の件でよくよく思い知らされました。やはり原宿は、ぼくなどが踏み込んでいい場所じゃなかったのだ。厳しく諭されたわけである。身の程をわきまえない者にファッションの街は徹底して冷たいのである。もう、超COOLなんである。